身近だけど意外と知らないスマホ決済の世界
スマホ決済と聞くと「スマホでピッと払う」、そんなイメージがありますよね。
日常にすっかり溶け込んだ便利な決済方法ですが、実はその種類や仕組みは様々です。
「非接触型」や「バーコード決済」といった言葉は聞いたことがあるけれど、具体的に何が違うのか、あなたはしっかりと理解していますか?
この記事ではスマホ決済について理解を深め、誰でも気軽に使えるように解説していきます。
スマホ決済の分かりにくさ
スマホ決済をはじめるときに、分かりにくいなと思うポイントがいくつかあります。
1つは非接触型とバーコード/QRコード型に別れていて、それぞれの特徴が最初は理解しにくいことです。
もう1つは、決済アプリが大量に存在することです。
いくつかピックアップしてみます。
- PayPay
- 楽天ペイ
- 楽天Edy
- LINE Pay
- d払い
- iD
- QUICPay
- au PAY
- メルペイ
- Amazon Pay
- nanacoモバイル
- AEON Pay
- FamiPay(ファミペイ)
- モバイルSuica
- Apple Pay
- Google Pay
- etc…
え?多すぎ!
訳が分からないよ…
その上サービスが終了したり統合するアプリがあって、なおさら複雑に…
初心者の方からすると、何をどう使えばいいか困ることでしょう。
そして決済サービスごとに、対応してるお店が変わることもややこしいです。
アプリ内の検索から対応してる店舗を探せますが、場所を選ばない現金に比べると扱いにくさは感じてしまいます。
これらの特徴をまとめ、分かりやすく丁寧に解説します。
スマホ決済の種類
スマホ決済は大きく分けると、2つに分類されます。
1つは「非接触型決済」です。駅の改札で「ピッ」とするのがそれです。
もう1つは「バーコード/QRコード決済」です。こちらは専用のアプリでバーコードなどを読み取るタイプです。
支払方法は2種類あるんだ
この2つを覚えたらいいんだね
それでは詳しく解説していきます。
非接触型とは
スマホをかざすだけで決済できる形式で、タッチ決済とも言われます。
基本的には日本での決済は「FeliCa」を搭載したスマホを使うことになります。
FeliCaとは
非接触型の決済には「NFC」という小型のICチップが必要となります。
「NFC」は近づけるだけで通信できる機能があり、これを使って「ピッ」と決済します。
「NFC」にはいくつか種類があって、その内の一つに「FeliCa」があります。
日本の非接触型サービスの大部分は、このFeliCaを使ったシステムになっているので、これの有無が重要になります。
FeliCaはコストが高いので、エントリーモデルのスマホには採用されていないことも多いです。
スマホを購入するときは、FeliCaが搭載されているか確認しましょう。
使い方は簡単でFeliCaにお金をチャージしておくと、かざすだけで決済ができるようになります。
決済時にインターネットに接続している必要がなく、スマホの電源がオフでも決済できます。
(後述するApple Payはセキュリティのため、電源を入れて認証する必要があります。)
この手軽さが最大のメリットでしょう。
FeliCaという財布にお金を入れるんだね
NFC(FeliCa)のセキュリティ
NFC(FeliCa)は複合的なセキュリティを組み合わせた強固なものになっています。
データを暗号化、なりすましの防止、通信が短距離に限られるので外部からの不正な読み取りを物理的に防止できるなどの特徴があります。
非接触型の決済サービス
ここでは有名なサービスをピックアップして紹介します。
- モバイルSuica
- 交通系ICカードのSuicaをアプリとしたものです。
電車や新幹線などの交通機関への利用はもちろん、コンビニやスーパーなどの支払もできます。
限度額が2万円までなので、高額の取引には向いていません。
AndroidとiOS(iPhone)の両方に対応しています。
- 交通系ICカードのSuicaをアプリとしたものです。
- 楽天Edy
- さまざまなお店で使用できるサービスです。
使うごとに楽天ポイントがたまるので、楽天経済圏の人には嬉しい決済方法です。
あらかじめチャージする必要がありますが、オートチャージを設定することができます。
限度額は5万円となっています。
Apple pay非対応なので、iPhoneでは利用できません。
- さまざまなお店で使用できるサービスです。
- iD/QUICPay
- 支払が後払いにできるポストペイ型の決済が可能です。
それぞれに紐づけできるカードをApple payに登録すると、自動で使えるようになります。
Androidの場合は、Google Payだと両方に対応しています。
おサイフケータイアプリの場合は、一部の機種はiDに対応していない可能性があります。
- 支払が後払いにできるポストペイ型の決済が可能です。
- Visaタッチ
- Visaのクレジットカードにはタッチ決済機能があります。
このカードをスマホに登録することで、スマホでVisaタッチを行えます。
一回の支払いが1万円までに制限されていることがあります。
支払は画面ロックが解除状態で、インターネットに接続されている必要があります。
これはVisaタッチがFelicaではなく、別のNFCを採用しているからです。
そのため、Felicaを搭載していないスマホでも利用することができます。
日本での非接触型の決済の多くはFelicaですが、このような例外が出始めています。
- Visaのクレジットカードにはタッチ決済機能があります。
おサイフケータイアプリとは
非接触型の決済サービスは多数あります。
おサイフケータイはそれらをまとめて管理し、状況に応じて使いたい決済サービスを選べる仕組みになっています。
駅の支払いはSuica、コンビニでの買い物はEdyのように使い分ける場合に必要となります。
他にもGoogle PayやApple Payも同様の機能をもっています。
登録できる決済サービスやクレジットカードなどはそれぞれで異なります。
おサイフケータイアプリ、Google Pay、Apple Pay
この三つは管理するためのアプリなんだね
バーコード/QRコード決済
バーコードやQRコードを読み取ったり、読み取ってもらったりする形式です。
支払いは決済アプリに事前に登録した銀行口座やクレジットカードから引き落とします。
そのため、FeliCaがなくても使うことのできるスマホ決済となっています。
支払いの際には、アプリを開く必要があることと、インターネット接続が必要です。
※特定の条件下のみインターネット接続を必要としない場合があります。
ストアスキャンとユーザースキャンの2つの決済方法があります。
ストアスキャン
スマホ決済アプリに表示されるバーコードや、QRコードをお店に読み取ってもらって支払う方式です。
アプリを開いて、バーコードを提示するだけなので手早く決済ができます。
バーコードは店員側から見て逆さでも読み取れます。
スマホの向きを気にせず、そのまま差し出してください。
ユーザースキャン
お店のレジなどに配置されたQRコードを、ユーザー自身が読み取り支払を行います。
- お店のQRコード読み取る
- ユーザーがアプリに利用金額を入力する
- 金額が正しいか、店員に確認してもらう
- 問題がなければ決済を完了する
正直いって面倒ですね。
現金のやり取りがないのはいいですが、手軽さの面では微妙です。
ストアスキャンと違って、金額入力にミスが出る可能性もあり、効率的ではありません。
どうして決済方法が複数あるの?
店舗側の導入コストの問題です。
ストアスキャンの方が利便性は高いのですが、店舗は専用の端末を用意する必要があります。
ユーザースキャンの場合は、バーコードを設置するだけなので低コストでスマホ決済を扱えます。
バーコード/QRコード型決済サービス
有名なものをいくつか紹介します。
- PayPay
- おそらく一番有名なバーコード決済でしょう。
導入コストの低さや、決済手数料が無料(現在は有料化)だったこともあり、多くの店舗に急激に普及していきました。
支払だけでなく、利用者同士での送金やグループ支払など便利な機能が手軽に使えることで、多くのユーザーの支持を集めています。
- おそらく一番有名なバーコード決済でしょう。
- 楽天ペイ
- PayPayに次ぐシェアを誇るバーコード決済です。
機能はPayPayと比べても遜色なく、快適に扱えるでしょう。
楽天経済圏のユーザーだと、より多くのポイントを集められます。
- PayPayに次ぐシェアを誇るバーコード決済です。
- d払い
- ドコモが提供するサービスで、使用するとdポイントが貯まります。
ドコモユーザーなら携帯料金の支払いにも使えるため便利です。
- ドコモが提供するサービスで、使用するとdポイントが貯まります。
キャッシュレス決済まとめ
- 便利さ: 現金を持ち歩く必要がなくなります。
- スピード: 決済がスピーディーで、レジでの待ち時間が短縮されます。
- 安全性: 現金よりも、盗難や紛失の心配が少なくなります。
- ポイント: 利用金額に応じてポイントが貯まり、お得に買い物ができます。
小銭で財布がいっぱいに…
なんてこともなくなるよね
レジでの伝え方
レジでスマホ決済をするときは「〇〇Payで」のように、アプリ名を告げましょう。
これは非接触型もバーコード/QR型もおなじです。
「バーコード決済で」でも支払いできることもありますが、店舗によって異なるためアプリ名を伝える方が無難です。
※何も言わずに差し出しても処理してくれることもありますが、やはりアプリ名を告げるようにしましょう。
スマホ決済の注意点
非接触型とバーコード/QR型はどっちがいいの?
手早く決済したいなら非接触型を利用しましょう。
送金などの便利な機能を利用したいなら、バーコード/QR型となります。
そのため、状況に応じて使い分けるのがいいでしょう。
使えるお店や限度額もあるからね
併用すれば解決するよ
どのアプリを使えばいいの?
シェアの多いアプリだと、使える店舗が多いのでおすすめです。
非接触型はSUICAや楽天Edy。iPhoneユーザーならiD、QUICPayもいいでしょう。
バーコード/QRコード決済はPayPayや楽天Payあたりです。
その他のアプリは、自分がよく使うサービスに関連したものを選んでください。
そうすることで効率よくポイントを貯めることができます。
どこでも決済できるとは限らないので、いくつかインストールしておくと安心かもしれませんね。
キャッシュレス決済の分類
決済方法の範囲の広さによって分類されます。
- キャッシュレス決済
- 現金を使わない支払いの全てを示します。
電子決済やスマホ決済のような電子的な支払いに加え、小切手なども含まれる、最も広い概念です。
- 現金を使わない支払いの全てを示します。
- 電子決済
- キャッシュレス決済の一部で、デジタル技術を利用したもの限定です。
電子マネー、クレジットカード決済、デビットカード決済、インターネットバンキングによる振込などが含まれます。
- キャッシュレス決済の一部で、デジタル技術を利用したもの限定です。
- 電子マネー
- 電子決済の一部で、事前にチャージした金額を使って支払します。
ICカード型、スマートフォン型、クレジットカード型(ICチップあり)などがあります。
ただし、クレジットカードと連携して後払いをするポストペイ型(iDなど)も、電子マネーに含まれます。
- 電子決済の一部で、事前にチャージした金額を使って支払します。
- バーコード/QRコード決済
- 電子決済の一部で、アプリを使った支払いです。
ICカードなどは含まれません。
- 電子決済の一部で、アプリを使った支払いです。
- スマホ決済(モバイル決済)
- スマホを使った決済のみを対象にします。
非接触型決済とバーコード/QRコード決済を使用します。
- スマホを使った決済のみを対象にします。
スマホ決済もキャッシュレス決済の一部です。
そのため単にキャッシュレス決済と呼ばれたりアバウトな面もあります。
僕は最初はスマホでの決済のことを電子マネーと呼んでいました。
それでも別に間違いではなかったのですが、実際のところは細かい区分があって複雑だったんですよね。
日本のスマホ決済が思ったほど伸びないのは、こういった分かりにくさが端々にあるせいなのかなと思います。
まとめ
スマホ決済は非接触型とバーコード/QRコードの2種類だと分かれば、簡単に理解できますね。
気を付けるのは「FeliCa」がないと「ピッ」とやる決済ができないことです。
それだけ注意すれば、お得で手早いスマホ決済をいつでも使うことができますよ!
あなたに合ったスマホ決済を見つけて、キャッシュレスライフを楽しんでくださいね。
それじゃまたね!