スマホには強力なセキュリティ対策が施されています。
それではセキュリティアプリを導入する必要はあるのでしょうか?
結論からいうと「必須ではないけどあれば安心」です。
この記事ではセキュリティアプリにどういった有用性があるのかお話していきます。
Androidのセキュリティ
まずは、スマホのセキュリティ対策がどのようなものなのか解説します。
Androidでは以下のようになっています。
- OSのアップデート
AndroidはOSを定期的にアップデートしています。
Androidはオーブンソースのため、悪意ある第三者が悪用する可能性はありますが、そういった脆弱性はアップデートによって迅速に対処されます。
このアップデートの効果は極めて高く、これによって強固なセキュリティが構築されています。 - Google Play プロテクト
Google Playストアからアプリをダウンロードする際に、悪意のあるプログラムが仕組まれていないか確認します。
その後も定期的にインストールされたアプリを調査し、安全を確保してくれます。
Google Playストアのアプリは事前にGoogleから厳しい審査を受けますが、それに加えてPlay プロテクトによる二重のチェックが入るのは大きいです。 - Google セーフブラウジング
ブラウザを使用中に危険サイトにアクセスしないように警告してくれます。
フィッシング詐欺などから身を守ることができます。
これは、ウィルスアプリの定番の機能です。
Googleセーフブラウジングなら無料でやってくれるのでお得ですね。 - 端末の暗号化
スマホのデータがロック中は、自動で暗号化されます。
このため、紛失しても第三者に情報を読み取られることを防げます。 - サンドボックス
各アプリは、他のアプリやシステムから隔離された「サンドボックス」と呼ばれる環境で実行されます。
これにより、あるアプリに問題が発生しても、他のアプリやシステム全体に影響が及ぶのを防ぎます
もしも、Google Play ストアの審査をすり抜けてきても、これで対応できます。
Androidのセキュリティは高い
Androidは十分な機能と対策を施しているのが分かります。
適切な使い方をする限りは、高いセキュリティを期待できるでしょう
ただしPlay Storeの審査をすり抜ける悪意あるアプリが発見されることがあり、脅威となっています。
ストアを過信せずに、ユーザー自身も身を守るために注意をはらう必要があります。
定期的に有害なアプリの一覧などを検索するなど情報を集めましょう。
iOSのセキュリティ
iOSのセキュリティは以下のようになっています。
- ハードウェアセキュリティ
appleのデバイス自体にセキュリティシステムが組み込まれています。
ユーザーの機密データ(指紋や暗号など)を保護したり、不正なソフトウェアによる侵入を防ぎます。 - システムセキュリティ
高頻度のOSアップデートによる強固なセキュリティを実現します。
起動時と動作中の両方の段階で、システムの整合性を厳密に監視し、不正な変更を許しません。 - 暗号化とデータ保護
デバイス内のデータは暗号化され、不正アクセスから守られます。
また、その暗号化のカギは厳重に保護され、第三者に情報を渡しません。 - アプリのセキュリティ
厳正な審査により、不正なアプリを排除しています。
各アプリが他のアプリやシステムから隔離された状態(サンドボックス)で、問題が起きても他に影響を与えないようにします。 - プライバシーとセキュリティの保護
パスコード、Face ID、Touch IDが、不正なアクセスを防ぎます。
紛失や盗難に備えたデータ保護機能があります。
アプリのトラッキングを制御したり、メール保護などでプライバシーを守ります。
iOSのセキュリティは非常に高い
Androidよりセキュリティ強度は高いです。
Androidと違ってクローズドなシステムなため、ソースコードの閲覧や改変が行えません。
アプリの審査もGoogleと比べてさらに厳しく、安全性は非常に高いです。
iOSのシステムの設計上、セキュリティアプリはOSの深部にアクセスができません。
そのため主要な機能であるウィルススキャンが実行できなくなっています。
iOSのセキュリティ機能の高さとシステムの問題で、セキュリティアプリの機能が限定されるため、iOSにはセキュリティアプリは必要ないといわれています。
人為的なセキュリティリスク
OSは強固なセキュリティがあることが分かりましたが、それでもセキュリティリスクは存在します。
その最大の原因は、人のミスによるものです。
- OSのアップデートしない
- OSのアップデートが遅れたり、期限切れの状態で使用するのはリスクが高いです。
脆弱性が残ったままなので、マルウェアなどの脅威を防げません。
サポート切れのスマホを使うのも同様に非常に危険です。
- OSのアップデートが遅れたり、期限切れの状態で使用するのはリスクが高いです。
- アプリのアップデートしない
- OSと同じく。脆弱性を突かれて攻撃されるリスクがあります。
アップデートが終了したアプリも危険です。
- OSと同じく。脆弱性を突かれて攻撃されるリスクがあります。
- ブラウザで危険なサイトへのアクセスをする。
- フィッシング詐欺の主要な原因になります。
フィッシングメールのリンクから、詐欺サイトへ飛ばされることもあります。
2023年のフィッシング報告件数は1,196,390 件と100万件を超えています。
出典 :フィッシング対策協議会 フィッシング報告件数の推移(フィッシングレポート2024より)https://www.antiphishing.jp/report/phishing_report_2024.pdf)
- フィッシング詐欺の主要な原因になります。
- 安易にフリーWi-Fiに接続する
- 暗号化されていないフリーWi-Fiは、カギのかかっていない部屋のようなものです。
何者かの悪意ある行為の被害にあってもおかしくありません。
また、正規のフリーWi-Fiそっくりな「なりすまし」のSSIDに引っかかると、情報を抜き取られたりするおそれがあります。
- 暗号化されていないフリーWi-Fiは、カギのかかっていない部屋のようなものです。
- 紛失、盗難
- データにアクセスされ、さまざまな情報を盗まれます。
紛失は人によるミスの中でも、もっとも分かりやすい例です。
- データにアクセスされ、さまざまな情報を盗まれます。
- 公式のアプリショップ以外でダウンロードする
- もっとも効率的にマルウェアにかかる方法です。
野良アプリには魅力的なものもありますが、リスクと隣り合わせとなっています。
- もっとも効率的にマルウェアにかかる方法です。
スマホのセキュリティ機能がいくら優れていても、使う人の行動次第で危険にさらされます。
ユーザーが正しい知識を持って、安全な使い方を心がけることが何よりのセキュリティとなるでしょう。
セキュリティアプリの必要性
セキュリティ意識が高く、知識のある人にとっては必須ではありません。
このような人はセキュリティアプリがなくても、リスクを避ける知識があるからです。
逆に防犯意識が薄かったり、危険から身を守る自信がない人には役立ちます。
とくにスマホにクレジットカードや銀行口座の登録をしている人にはおすすめです。
セキュリティアプリはスマホの機能を補って、さらに安全性を高めることができるからです。
スマホのセキュリティとセキュリティアプリで最強!?
残念ですがそうではありません。
より安全性を高めることはできますが、全ての脅威を完全に防ぐことはできないのです。
しかし先ほども述べた通り、人はミスをするものです。
そんな時にリスクから身を守ってくれるのがセキュリティアプリです。
セキュリティアプリのメリット
セキュリティに自信がある → ミスがあったときにカバーしてくれる。
セキュリティに自信がない → スマホのセキュリティに加え、さらに幅広くリスクに対応できる。
どの層の人にもメリットがあることが分かります。
より安全にスマホを使いたいなら、導入を検討するのは悪くない考えだと思います。
僕はESETというセキュリティソフトを購入しています。
Androidのセキュリティとは別に、デバイス全体の検査や、決済保護の機能があるのが心強いです。
AndroidにはGoogle Play プロテクトがあるので、ESETのデバイスの検査は重複した機能です。
しかしESET独自のデータベースを参照して検査するため、Google Play プロテクトが発見できなかった脅威をセキュリティアプリが見つけてくれる可能性があります。
また決済保護はAndroidには備わっていない機能です。
安心してネットショッピングができるのは大きな長所ですよね。
セキュリティアプリは必要ないという意見をよく聞きますが、明確なメリットは間違いなくありますよ。
セキュリティアプリの問題
セキュリティアプリは安全性を高めてくれますが、デメリットもあります。
- スマホの動作が遅くなる
- すべてのセキュリティアプリではありませんが、動作が重いものもあります。
- 消費電力が上がる
- スマホ全体の監視を行うため、消費電力が上がります。
- 高機能のアプリは有料
- 金額はそれぞれですが、お金がかかるのはデメリットですね。
アプリによって異なりますが、そういった傾向があります。
特に金額は若干高めかなと思います。
複数台にインストールできるプランは割安になっているので、家族で利用する場合は出費を抑えられます。
どんなアプリがあるの?
セキュリティアプリはいくつもありますが、今回は「ESET」と「ノートン」の解説をします。
ESETモバイル
ESETモバイルはAndroid用のセキュリティアプリです。
※iOSに対応していません。
通常のモバイルと「ESET HOME セキュリティプレミアム」「ESET HOME セキュリティアルティメット」の上位プランがあります。
これらは通常のESETモバイルに追加機能や対応台数を加えたプランです。
機能 | モバイル | プレミアム | アルティメット |
---|---|---|---|
マルウェア対策 | 〇 | 〇 | 〇 |
決済保護 | 〇 | 〇 | 〇 |
フィッシング対策 | 〇 | 〇 | 〇 |
パスワードマネージャー | × | 〇 | 〇 |
VPN | × | × | 〇 |
セキュリティ監視 | 〇 | 〇 | 〇 |
対応台数 | 1台 | 1~5台 | 5台 |
料金 | 1年 ¥3,300 | 1年 ¥6,980 3年 ¥10,340 ※1台での料金です | 1年 ¥11,616 3年 ¥17,545 |
あらゆるマルウェア(ウィルス、スパイウェア、ランサムウェア)への対策、オンライン決済の保護、フィッシングサイトへのアクセスをブロックなど重要な機能は全てのプランで使用できます。
もちろんスマホが感染していないか、ウィルスチェックをおこなうこともできます。
パスワードマネージャーはプレミアム以上、VPNは最上位プランのアルティメット限定です。
プレミアムやアルティメットはWindowsやMacにも対応しています。
ESETモバイルは動作やバッテリー消費が軽いので、セキュリティアプリの中でもとくに扱いやすいです。
ESET Mobile Security Antivirus
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ノートン
ノートンはAndroidとiOSの両方に対応しています。
ただしiOSは一部の機能が利用できません。
機能 | モバイル | ノートン360 | デラックス |
---|---|---|---|
マルウェア対策 | 〇 | 〇 | 〇 |
Wi-Fiセキュリティ | 〇 | 〇 | 〇 |
フィッシング対策 | 〇 | 〇 | 〇 |
SMS セキュリティ | 〇 | 〇 | 〇 |
VPN | × | 〇 | 〇 |
ダークウェブモニタリング | × | 〇 | 〇 |
対応台数 | 1台 | 1台 | 3台 |
料金 | 1年 ¥3,080 2年 ¥5,280 | 1年 ¥4,780 3年 ¥11,980 | 1年 ¥7,980 3年 ¥15,980 |
モバイルは基本的な機能だけですが、手ごろな価格になっています。
上位プランは追加機能として、ダークウェブモニタリングとVPNが追加されます。
前者はダークウェブ上の個人情報を監視し、契約者の個人情報を発見すると通知する機能です。
VPNはより安全なインターネット接続を実現するもので、フリーWi-Fiを使う人には必須でしょう。
ノートンも当然ながらスマホの状態を調べる、ウィルスチェックが実行できます。
ノートン360とノートン360デラックスは性能自体には差がありません。
対応台数とWindowsやMacなども保護の対象になることが追加要素となっています。
VPNを低価格で使えるのがノートンのメリットです。
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両者のメリットは
動作が快適なESETと
コスパ良好のノートンだね
ESETとノートンは無料体験があるので、まずは試してみるといいでしょう。
無料のセキュリティアプリ
無料のセキュリティアプリは、おすすめはしません。
性能に対して電力消費や動作の重さなどのデメリットの方が大きい傾向があるからです。
基本的には高機能の有料のアプリを導入するか、利用しないかの二択で考えていいと思います。
とはいえ無料のアプリですから、1度ためしてみてもいいでしょう。
まずは「開発元」が信頼できるか、ユーザーの評価はどうなのかを事前に確認してください。
有名なアプリでは「アバスト」や「マカフィー」などがあります。
とくにアバストはレビューも高評価なので、利用してみてもいいかもしれません。
iOSはシステムの都合上、セキュリティアプリの機能が制限されます。
導入を検討する場合は、事前によく確認してください。
アバスト モバイル セキュリティ&ウイルス対策
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マカフィー セキュリティ: 安全なWifi接続&VPNアプリ
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まとめ
今回はセキュリティアプリの必要性のお話でした。
スマホのセキュリティは強固ですが、やはり使う人の意識こそが重要でしたね。
その上でさらに安全性を高めたり、ミスをカバーしてほしい場合はセキュリティアプリを導入を検討してください。
ただし仕様の問題からiOSでは使える機能が限定されるため、iPhoneユーザーの方はご注意ください。
それじゃまたね!